犬に噛まれた
犬に噛まれたときに起きること

犬に噛まれることは、日常生活のなかで起こり得る怪我のひとつです。犬や動物に噛まれた傷を動物咬傷といい、ペットや野良犬などから噛まれてしまうことがあります。犬に噛まれると皮膚は損傷し、場合によっては深い傷で出血が止まらないこともあるでしょう。 特に、強い力で噛まれた場合には、筋肉や神経、骨にまで損傷を及ぼすことがあります。また、犬の口の中には多くの細菌が存在するため、適切な処置をしないと感染症を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
犬に噛まれた際の主な症状
犬に噛まれた際の主な症状は、噛まれた部位の皮膚が切れて出血を引き起こすことがあります。大型犬などの、噛む力が強い犬に深く噛まれてしまった場合は、筋肉や神経に損傷を受けることもありますし、ひどいときには骨折するケースもあるでしょう。 犬に噛まれた際の症状のなかでも特に注意が必要なのは、犬の口内の細菌による感染症です。傷口の周囲が腫れあがったり、化膿することもあります。重症化するケースもありますので、早急にクリニックの受診が必要です。犬に噛まれた時に注意すべき感染症
犬に噛まれたときに注意すべき感染症には、以下のようなものがあげられます。重症化すると生命に関わるケースもあるので注意しましょう。破傷風
破傷風は、犬の口内の破傷風菌によって感染したときに起こります。破傷風菌の神経毒素は、筋肉を硬直させたり痙攣させたりします。手足にしびれがあったり、口がうまく開けないなどの症状が特徴です。病状が進行すると、排尿や排便、歩行に障害がみられるようになります。さらに重症化すると、全身の筋肉が硬直して呼吸困難を引き起こします。パスツレラ症
パスツレラ症も動物の口内の細菌の一つです。感染すると、傷口が痛み、赤く腫れあがったり化膿することがあります。なお、犬猫とキスした場合も感染するリスクがあるため注意が必要です。特に、免疫力が低下している高齢者や子どもが発症した場合は重症化のリスクもあるので、早めにクリニックに受診するようにしましょう。狂犬病
狂犬病は、感染して発症すると死亡率が非常に高い病気です。狂犬病ウイルスに感染している犬や猫、動物に噛まれたり引っ掻かれたりしてできた傷口から、ウイルスが侵入することで感染します。しかし、日本では1956年を最後に発生しておりません。ただし、海外では未だ死亡例のある地域もありますので、海外旅行の際には注意が必要です。犬に噛まれる原因
犬が人を噛む原因には、以下の理由があげられます。- 犬が危険を感じて身を守るために噛みつく
- 犬が人にかまってほしいといった自己主張で噛みつく
- 神経やホルモン異常の病気で無意識に噛みつく
犬に噛まれた際の治療
犬に噛まれた際の応急処置は、まず最初におこなうべきは傷口の洗浄です。噛まれた部分を、大量の水と石鹸でしっかり洗い流します。また、細菌の感染を防ぐために、出血が起こっていても、5分以上は洗い流し続けるようにしましょう。 傷口の洗浄をしたあとは、清潔なガーゼやタオルで傷口を覆います。もし、出血が続くようであれば、手のひらで圧迫して止血をします。傷口が腫れている場合は、保冷剤や氷まくらで冷やすのも効果的です。 止血が済みましたら、傷口が小さくても感染症を防ぐために必ずクリニックを受診するようにしましょう。洗浄や消毒だけでは、細菌を取り除ききれないことが多いため感染症を発症する前にクリニックにて処置を受けるのがおすすめです。関連する症状
初診に適した診療科目

この記事の監修
メディカルクリニックパレ水天宮前 代表
石井 浩統
略歴
2005年3月 福井大学卒業
2005年4月 福井県済生会病院 臨床研修医
2007年4月 福井県済生会病院 外科医員
2010年1月 福井県済生会病院 外科医長
2011年4月 日本医科大学付属病院高度救命救急センター 助教・医員
2024年4月 メディカルクリニックパレ水天宮前開院