インフルエンザ

インフルエンザとは

インフルエンザ

インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされます。風邪に似た症状がでますが、38度以上の高熱など、風邪に比べてより強い症状がでやすい特徴があります。感染時期は、毎年11月頃から流行が始まり、1月頃にピークを迎えます。暖かくなってくると流行は落ち着きますが、感染力が強く、学級閉鎖につながることも少なくありません。免疫力が弱い小さな子どもや高齢者がインフルエンザにかかると、重症化して命に関わる場合もあるので注意が必要です。

インフルエンザの主な症状

インフルエンザの主な症状には、次のようなものがあります。
  • 急な38度以上の高熱
  • 関節痛や筋肉痛などの痛み
  • 咳や喉の痛み
  • 鼻水
  • 頭痛
  • 悪寒
  • 倦怠感
高熱は3日ほどで収まり、遅れて呼吸器に症状が現れるようになります。通常は数日から1週間程度で症状が改善していきますが、免疫力が低下している方は重症化しやすい傾向にあります。また、インフルエンザ自体の症状に加え、免疫力が弱まることにより、合併症として脳炎や脳症、細菌性肺炎、心筋炎などを合併するケースもあります。ほかにも、7日以上呼吸器症状や発熱に改善が見られない場合、肺が弱っているところに別の細菌が肺炎を起こして二次性肺炎となっている恐れもあるため、回復するまでに十分な注意が必要です。

インフルエンザの原因

インフルエンザは、インフルエンザウイルスが原因で発症しますが、一口にインフルエンザウイルスといっても、全てが同じものではありません。A型・B型・C型の3種類と、家畜にのみ感染するD型があります。中でもA型インフルエンザの場合は、感染力が強く重症化しやすい特徴があると言われています。また、インフルエンザウイルスは少しずつ性質を変えて変異するため、免疫がつきづらく、同じ季節に2回感染するケースもあります。なお、インフルエンザウイルスは、飛沫感染、接触感染、空気感染という3つの経路によって感染します。そして、これらの経路から体内へウイルスが侵入し、1〜3日程度の潜伏期間が終わると、上記で述べた症状が発症します。感染を防ぐには、日常的な手洗いやうがいに加え、部屋の加湿や換気を意識しましょう。また、感染予防と軽症化が期待できるため、あらかじめワクチンによる予防接種を受けておくことも有効です。

インフルエンザの治療

インフルエンザの治療方法には、薬物療法と対症療法があります。これらの療法についてここではお伝えします。

薬物療法

薬物療法では、抗インフルエンザウイルス薬を用い、ウイルスの数を減らすのではなく、それ以上増やさないことを目的に実施します。そのため、ウイルス量が増加しきる前となる、発症から48時間以内に行うことが効果的とされています。薬物療法を実施すると、ウイルスを抑制して発熱期間を短縮することや、合併症のリスクを下げることができます。錠剤、吸入、点滴などの種類があり、患者さんの状態に応じて使い分けていきます。

対症療法

対処療法では、発熱、咳や喉の痛み、痰のからみ、関節痛などに対し、症状を和らげるために、解熱剤や咳止めなどの薬を使います。

セルフケアと注意点

もともと健康な方であれば、インフルエンザの薬を使用しなくても、自身の免疫によって自然治癒することがほとんどです。特に持病がなく風邪のような症状であれば、48時間以内の薬物療法を実施できなかった場合も、大半が自然治癒していきます。ただし、重症化や周囲への感染といったリスクを考えると、インフルエンザにかかったら学校や会社は休み、早期に治療を開始するのがよいでしょう。
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この記事の監修

メディカルクリニックパレ水天宮前 代表
石井 浩統

略歴

2005年3月 福井大学卒業
2005年4月 福井県済生会病院 臨床研修医
2007年4月 福井県済生会病院 外科医員
2010年1月 福井県済生会病院 外科医長
2011年4月 日本医科大学付属病院高度救命救急センター 助教・医員
2024年4月 メディカルクリニックパレ水天宮前開院