麻疹(はしか)・風しんワクチン

麻疹・風しんワクチンとは

発熱とは

麻疹・風疹ワクチン(MRワクチン)とは、麻疹(はしか)と風疹(ふうしん)を同時に予防するための生ワクチンです。麻疹と風疹は、いずれも感染力が非常に強く、重篤な合併症を引き起こす可能性のある感染症です。
麻疹は「はしか」とも呼ばれ、高熱、発疹、咳などの症状が現れます。感染力が極めて強く、空気感染により広がります。合併症として肺炎や脳炎を引き起こすことがあり、命に関わる場合もあります。
風疹は「三日はしか」とも呼ばれ、発熱、発疹、リンパ節の腫れなどの症状が現れます。特に妊娠初期の女性が感染すると、胎児に先天性風疹症候群(CRS)を引き起こし、心疾患、難聴、白内障などの障害が生じる可能性があります。

麻疹・風疹の主な症状

麻疹と風疹に現れる主な症状には、次のようなものがあります。

麻疹(はしか)の症状

  • 高熱(38℃以上)が3〜4日続く
  • 咳、鼻水、目の充血などのカタル症状
  • 口腔内に白い小さな斑点(コプリック斑)が出現
  • 全身に赤い発疹が広がる
  • 合併症として肺炎、中耳炎、脳炎など

麻疹は感染力が非常に強く、免疫を持たない人が感染者と接触した場合、ほぼ100%感染すると言われています。重症化すると、肺炎や脳炎などの合併症により命に関わることもあります。

風疹(ふうしん)の症状

  • 微熱から高熱(38℃以上)の発熱
  • 全身に淡い紅色の発疹
  • 耳の後ろや首のリンパ節の腫れ
  • 関節痛(成人に多い)
  • 妊娠初期の感染による胎児への影響(先天性風疹症候群)

風疹は「三日はしか」とも呼ばれ、症状は比較的軽いことが多いですが、妊娠初期の女性が感染すると、胎児に重篤な障害を引き起こす可能性があります。そのため、妊娠を希望する女性やその周囲の方は特に予防が重要です。

麻疹・風疹の原因

麻疹・風疹の原因はさまざまですが、次のようなものがあります。

麻疹ウイルスによる感染

麻疹は麻疹ウイルスによって引き起こされます。感染経路は空気感染、飛沫感染、接触感染で、感染力は極めて強力です。免疫を持たない人が感染者と同じ空間にいるだけで感染するリスクがあります。ワクチン接種歴がない場合や、免疫が不十分な場合に感染しやすくなります。

風疹ウイルスによる感染

風疹は風疹ウイルスによって引き起こされます。感染経路は主に飛沫感染で、咳やくしゃみを通じて広がります。感染力は麻疹ほど強くありませんが、感染者との密接な接触により容易に感染します。特に集団生活の場や職場などで感染が広がりやすい傾向があります。

免疫の不足

麻疹・風疹に対する免疫が不十分な場合、これらのウイルスに感染しやすくなります。ワクチン接種を1回しか受けていない場合や、接種から長期間経過している場合、免疫が低下していることがあります。また、生まれた年代によってワクチン接種制度が異なるため、特定の年代で免疫を持たない人が多く存在します。

麻疹・風疹ワクチンの接種

麻疹・風疹ワクチンの接種は、感染を予防し、重篤な合併症から身を守るために非常に重要です。接種対象や方法について以下に説明します。

定期接種

定期接種として、以下の年齢で2回接種が推奨されています。

  • 1期:1歳の誕生日から2歳の誕生日の前日まで
  • 2期:小学校入学前の1年間(5歳から7歳未満で小学校入学の前年度)

2回接種により、麻疹・風疹に対する免疫が約95%以上獲得され、長期間にわたって効果が持続します。

任意接種

定期接種の対象年齢を過ぎた方や、接種歴が不明な方、免疫が不十分と考えられる方には、任意接種が推奨されます。特に以下の方は接種を検討してください。

  • 過去に1回しか接種していない方
  • 接種歴が不明な方
  • 妊娠を希望する女性やそのパートナー
  • 医療従事者、保育士、教職員など感染リスクの高い職業の方
  • 海外渡航を予定している方

接種方法・回数

  • 接種方法: 皮下注射(上腕)
  • 接種回数: 2回(1回目から4週間以上あけて2回目)

接種後は、まれに発熱や発疹などの副反応が見られることがありますが、ほとんどの場合は軽度で自然に回復します。

接種できない方

  • 妊娠している方(接種後2ヶ月間は避妊が必要)
  • 免疫不全のある方
  • 重篤な急性疾患にかかっている方
  • ワクチンの成分に対して過敏症の既往がある方

これらに該当する方は、医師にご相談ください。

麻疹・風疹ワクチンの効果

  • 麻疹の発症予防効果: 2回接種で約95〜99%
  • 風疹の発症予防効果: 2回接種で約95〜99%
  • 重症化予防効果: 接種により感染しても重症化を防ぐ

2回の接種を完了することで、長期間にわたって免疫が維持され、感染リスクを大幅に低減できます。また、集団免疫の形成にも寄与し、感染症の流行を防ぐ目的で用いられます。

副反応について

  • 接種部位の腫れ、赤み、痛み
  • 発熱 (接種後5〜14日後に現れることが多い)
  • 発疹
  • リンパ節の腫れ
  • 関節痛(主に成人)

これらの副反応は、ほとんどの場合数日で自然に軽快します。重篤な副反応は極めてまれですが、ご不安な症状がある場合は、すぐに医療機関へご相談ください。

接種費用

【定期接種の場合】

  • 1期・2期ともに無料 (公費負担)

対象年齢内であれば、自己負担なく接種を受けることができます。

【任意接種の場合】

  • MRワクチン: 8,000〜12,000円程度 (医療機関により異なります)

任意接種の場合は自費となりますが、一部自治体では接種費用の助成制度を設けている場合があります。詳細はお住まいの自治体にお問い合わせください。

予防のための生活習慣

麻疹・風疹の予防には、ワクチン接種が最も有効ですが、日常生活でも以下の点に注意しましょう。

  • 手洗い・うがいをこまめに行う
  • 咳エチケットを守る(マスクの着用など)
  • 流行時には人混みを避ける
  • 免疫状態を確認し、必要に応じてワクチンを接種する
  • 妊娠を希望する女性は、妊娠前に抗体検査とワクチン接種を検討する

特に妊娠を希望する女性は、風疹に対する十分な免疫を持っているか確認し、必要に応じて妊娠前にワクチン接種を受けることが重要です。

ご予約方法(完全予約制)

麻疹・風疹ワクチンの接種をご希望の方は、事前にお電話にてご予約をお願いいたします。

TEL:03-6810-8822

※定期接種の方は、必ず母子健康手帳と予診票をお持ちください。

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石井 浩統

この記事の監修

メディカルクリニックパレ水天宮前 代表
石井 浩統

略歴

2005年3月 福井大学卒業
2005年4月 福井県済生会病院 臨床研修医
2007年4月 福井県済生会病院 外科医員
2010年1月 福井県済生会病院 外科医長
2011年4月 日本医科大学付属病院高度救命救急センター 助教・医員
2024年4月 メディカルクリニックパレ水天宮前開院