ぎっくり腰

ぎっくり腰とは

ぎっくり腰とは

ぎっくり腰とは、急激に激しい痛みが腰に対して走った状態で、正式な名称は急性腰痛症といわれています。重いものを持ち上げる動作、急な姿勢の変化によって発症することが多く、突然の痛みで動けなくなってしまうことがあります。 一度ぎっくり腰が発生したら、再発しやすくなるといった特徴もあります。また、ぎっくり腰の別名に、魔女の一撃と呼ばれることもありますが、これは突発的にあまりにも激しい痛みを繰り返してしまうことから、そのように呼ばれています。 ぎっくり腰は、どの年齢層でも起こる可能性があります。特に、中高年の方に多く見られる症状ですので、日頃の生活のなかで注意が必要となります。

ぎっくり腰の主な症状

ぎっくり腰の主な症状は、突然の鋭い痛みが特徴的です。まるで、腰に何かが刺さっているような、ズキズキとした痛みを感じてしまいます。この痛みによって、腰を曲げたり身体を動かすことが難しくなり、立ち上がろうとすると、腰が抜けそうな感覚を受けることもあります。 腰の痛みが足にまで広がることがあり、長時間の立ちっぱなしや歩行が困難になるケースもあります。痛みの程度や持続期間は、個人によって異なりますが、ひどい場合は数日間、痛みが続くこともあります。

クリニック受診が必要なぎっくり腰の症状

どの程度の症状があれば、クリニックを受診するほうがよいのか判断が難しいものです。以下のような場合は、早めに検査をして診断してもらうほうがよいでしょう。
  • ぎっくり腰を何度も繰り返して慢性的に治らない
  • 足や指先にしびれを感じることがある
  • 足のしびれに加えて排尿や排便がしにくい
  • 安静にしても回復せず症状が悪化し続ける
  • 発熱や嘔吐、血尿がある
何度もぎっくり腰を繰り返したり、2週間以上も痛みが回復しない場合は、ほかの病気から生じている痛みの可能性もあります。また、足のしびれ、排尿や排便の障害がともなう場合も、単なるぎっくり腰ではなく、腰に大きな神経障害が起こっている可能性があります。このような症状が起きている場合は、早急にクリニックを受診しましょう。 また、症状が何日も続いたり、回復するどころかむしろ悪化し続けるようなことがあれば、ぎっくり腰以外の原因が考えられます。安静にして我慢し続けるのではなく、早めの精密な検査と治療がおすすめです。

ぎっくり腰の原因

ぎっくり腰のはっきりとした原因は、実はよくわかっていません。一般的によく知られているのは、以下の行動をしたときに発症しやすいとされています。
  • 重いものを持ち上げるとき
  • 体をひねる動作を急におこなったとき
  • くしゃみをしたとき
  • 挨拶で軽くお辞儀をしたとき
  • 単に立ち上がろうとしとき
腰に負荷のかかる行為から、些細なものまで、さまざまな動作によって起きることがあります。中腰の姿勢では、椎間板に圧がかかりやすいため、椎間板ヘルニアなどの病気を抱えている方にとっては、発症しやすい姿勢とも考えられています。

ぎっくり腰の治療

ぎっくり腰の治療は、まずは安静にすることが大切です。痛みが強くあるときは、無理に動かさないようにします。患部が熱を持っている場合は、保冷剤などで冷やしてもよいですが、痛みが増してしまうようなら使用は控えましょう。また、コルセットで固定するのも、痛みを和らげるのには効果的です。ただし、コルセットはあくまでもサポーターですので、痛みが落ちついたら徐々に外すなど、頼りすぎないようにしましょう。 ぎっくり腰には、ほかの病気が隠れていることもあります。日常的に発症を繰り返したり、安静にしても痛みが落ち着かないときは、早めにクリニックにて検査を受けましょう。
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石井 浩統

この記事の監修

メディカルクリニックパレ水天宮前 代表
石井 浩統

略歴

2005年3月 福井大学卒業
2005年4月 福井県済生会病院 臨床研修医
2007年4月 福井県済生会病院 外科医員
2010年1月 福井県済生会病院 外科医長
2011年4月 日本医科大学付属病院高度救命救急センター 助教・医員
2024年4月 メディカルクリニックパレ水天宮前開院