肥満・やせ

肥満・やせとは

肥満・やせとは

肥満・やせは食生活や生活習慣の乱れが原因で起こり、どちらも放置すると健康を脅かす病気にかかりやすくなる可能性があり、進行する前に早めの対策が必要です。 肥満・やせの判定には国際的な標準指標であるBMI(Body Mass Index)が用いられます。 BMIは体重(kg)÷ [身長(m)の2乗]の計算式で求められ、算出された数値で肥満・やせの判定を行います。

表データ

BMIの判定は男女とも共通の数値を用い、22.0が標準体重の数値です。 肥満とは、体重だけでなく体脂肪が多すぎる状態をいいます。BMIが25以上だと肥満、35以上の場合は高度肥満と判定されます。一方で、やせとは、BMIが18.5以下で標準よりも体重が減少している状態です。

肥満・やせの主な症状

肥満とやせは両極端な状態ですが、どちらも進行すると病気になるリスクがあるため、早めの対応が好ましいです。ここでは、肥満とやせが関係する症状について見ていきましょう。

肥満の症状

肥満の主な症状には、膝痛や腰痛、息切れ、いびき、睡眠時の無呼吸などがあり、これら肥満によって生じる悪影響を肥満症といいます。 肥満にくわえて健康リスクの高い合併症を有している場合は医療的なケアも必要になります。肥満症に分類される合併症とは、主に以下の通りです。
  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 脂質異常症
  • 心臓の病気
  • 脳の病気
また、メタボリックシンドローム(メタボ)にも該当していると、動脈硬化の危険度がさらに上がります。メタボは内臓脂肪症候群とも呼ばれ、ウェスト周りの脂肪が多い状態で高血圧・糖尿病・脂質異常症のうち2つ以上に該当するとメタボと診断されます。 肥満やメタボは放置していると生活習慣病のリスクが高まるので、診断を受けたら医療機関での治療や生活習慣の見直しをするようにしましょう。

やせの症状

やせ過ぎて体重減少が進行すると貧血や骨粗鬆症、不妊や無月経など健康を脅かすリスクが高まります。特に、高齢者のやせでは褥瘡(床ずれ)や筋力低下による運動障害(フレイル)などの問題が発生しやすくなります。

肥満・やせの原因

肥満・やせはどちらも食生活の乱れが原因で起こります。ただし、原因のなかには精神的な疾患が隠れていることもあるため、その特定も大切です。 肥満は食生活や運動不足のほか、服用している薬の影響やホルモンバランスの変化でも起こります。摂取エネルギーのとり過ぎが主な原因で、ストレスや残業が多いと食生活も乱れ運動する時間も取れないので肥満になりやすいです。 一方、やせの主な原因は食欲不振や摂食障害による過度なダイエットで、若い女性や高齢者に多くみられます。摂食障害によるやせは、体重が減り続けても過度な食事制限、過食や嘔吐を繰り返すので、重度になる前に医療機関を受診することがおすすめです。

肥満・やせの治療

肥満・やせは重度になると本人の力だけで改善するのは困難なため、医療的なケアを受けるようにしましょう。 肥満の治療には食事療法と運動療法を取り入れ、生活スタイルを改善させることが重要です。単に体重の減少だけではなく内臓脂肪も減らすことが目的なので、管理栄養士や運動指導士などの専門職による食事管理や運動指導をおこないます。 一方、高齢者のやせの治療では、食べやすい食事や高カロリーの補助食品の使用で低栄養状態を改善させます。摂食障害の場合は専門の医療機関で精神的、栄養的なカウンセリングを受けて、食習慣や摂食行動を改善させることが重要です。
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初診に適した診療科目
内科 
石井 浩統

この記事の監修

メディカルクリニックパレ水天宮前 代表
石井 浩統

略歴

2005年3月 福井大学卒業
2005年4月 福井県済生会病院 臨床研修医
2007年4月 福井県済生会病院 外科医員
2010年1月 福井県済生会病院 外科医長
2011年4月 日本医科大学付属病院高度救命救急センター 助教・医員
2024年4月 メディカルクリニックパレ水天宮前開院