心臓病

心臓病とは

心臓病

心臓病とは心臓に生じる病気のことで、がん・脳卒中と並ぶ日本人の三大死因のひとつです。心臓病は病名ではなく、心臓の病気の総称として使われており、例えば次のような病名が挙げられます。

  • 心筋梗塞
  • 狭心症
  • 大動脈解離
  • 心臓弁膜症
  • 不整脈
  • 心筋炎
  • 肺高血圧症
  • 先天的な心臓の異常

心臓は全身に血液を送り出し、活動に必要な酸素や栄養素を送り届けるポンプ機能を担っている臓器です。心臓は筋肉でできているため、心疾患によって心臓の筋肉にダメージが生じたり過度な負担がかかったりすると、機能は徐々に低下します。心臓病は発症してから急激に症状が悪化するケースもあれば、長時間かけて徐々に進行していくものなどさまざまです。

心臓病の主な症状

心臓病の症状は、どの病気を患ったかによって大きく異なります。起こりうる症状は、大きく以下の4つです。

心筋梗塞の症状

最も特徴的な症状が、脂汗が出るほどの激しい胸の痛みや圧迫感、焼けつくような感じが30分以上継続するものです。痛む場所は主に胸の中央部から胸全体にかけてですが、左胸から顎のあたり、左肩から左腕にかけて広がる場合もあります。胃痛や歯痛と勘違いしたり、背中が痛い、呼吸が苦しい、冷や汗が出る、吐き気があるといった症状を訴えたりする人もいます。

不整脈の症状

動悸やめまい、脈が飛ぶような感覚などの症状がみられます。

大動脈解離の症状

突然、胸背部に今までにないほどの痛みを感じます。

心不全の症状

初期の頃は、ちょっとした負荷で息苦しさを感じます。坂道や階段を上ったり、重たいものを持ったりした時は、それまでにない息切れを生じることもあります。夜間の頻尿や急激な体重増加も、危険信号といわれています。

心臓病の原因

心臓病の原因は、どの病気を患ったかによって大きく異なります。心臓病として多く見られる病気と原因は、以下の通りです。

虚血性心疾患

虚血性心疾患は、心筋梗塞や狭心症など突然死の原因になることの多い病気です。高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満などの生活習慣病や喫煙習慣などによって生じる動脈硬化が原因とされています。また、ストレスや疲れ、睡眠不足なども発症の引き金になるといわれています。

心臓弁膜症

心臓内で血液の逆流を防ぐために存在する逆流防止弁が、正常に機能しなくなる病気です。主な原因は先天的な異常や、加齢による組織の変化、感染症や外傷によって引き起こされるケースもあります。

不整脈

心臓の電気的な興奮に、異常が生じることによって引き起こされる病気です。心臓の筋肉にダメージが生じることや、心臓に長期的な負担がかかることでも発症するといわれており、虚血性心疾患や心臓弁膜症に併存することが多い病気です。

心不全

心不全の原因は、非常に多岐に渡ります。
  • 虚血性心疾患
  • 高血圧症
  • 弁膜症
  • 心筋症
  • 心膜炎
  • 不整脈
  • 肺高血圧症
  • 先天性心疾患
  • 薬剤性
日本で最も多いのは虚血性心疾患ですが、高血圧性心疾患も近年高い傾向にあります。

心臓病の治療

心臓病の治療は、それぞれの病気の悪化を防いだり症状を改善したりするために薬物療法が欠かせません。標準的な薬物療法で十分な効果が得られない場合は、ペースメーカーの植え込みや、補助人工心臓から心臓移植を検討する必要があります。

また、普段から心臓病を予防するためには、食生活の改善が必須です。エネルギー、タンパク質、炭水化物などの糖質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素を、適正量をバランスよく摂取することが大切です。また、食物繊維やポリフェノール、植物ステロールなど、非栄養素植物成分の摂取についても配慮するようにしましょう。
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この記事の監修

メディカルクリニックパレ水天宮前 代表
石井 浩統

略歴

2005年3月 福井大学卒業
2005年4月 福井県済生会病院 臨床研修医
2007年4月 福井県済生会病院 外科医員
2010年1月 福井県済生会病院 外科医長
2011年4月 日本医科大学付属病院高度救命救急センター 助教・医員
2024年4月 メディカルクリニックパレ水天宮前開院